Co.山田うん プレリュード
世田谷パブリックシアターへ。
偶然この日だけ空いていたので3人揃って行ってまいりました。
ワーグナーからドビュッシー、スクリャービン からアウエルバッハまで、プレリュードだけを集めたこの作品。
ワーグナーの時空の広さ、ドビュッシーの色彩、アウエルバッハの彫刻的な音楽が、どんどんダンサー達により浮き出され、立体が波になり残像に消えてゆく連続。
黒の中にあるはずだったそれが、牧神に午後が訪れた瞬間からシュールでそれでいて可愛げのある、ゴージャスな色彩芸術に変化する、おったまげた構成。
森と藤と雲と虎と牧神達。
曲の題材、ギリシャ神話を盛り込んでいるような、足がエンタシスの牛の半ぬ獣神の象徴に、けだるい午後か人々の夢わや象徴するかのような雲、そして秀逸なのは巨大な藤棚。どうしても藤娘を思ってしまうのは、考えすぎか、、しかし、男松さえ出てこないものの、誘いあう粋な駆け引きは洋の東西を問わない。それが藤の精の夢か、半獣神の夢かの違い。性の境を越えた欲の構図の絵が、妙に美しく意外で、しかし、しっかりと浮かび上がっていた。
その色彩感覚と、バスに乗りつり革つかまり出かけるウィットにも微笑みぬつつ、鳥肌もののワーグナーで締まる。
もちろん、山田うんさんがそう思われてるかはわかりませんが、他の方がどう感じられたか、いろんな想像ができて楽しい!
沢山の若手ダンサー達の起用に、次のエネルギーが楽しみな、この、ダンス舞台初心者の毛穴を開くステキなプロダクション。
もはやコンテンポラリーダンス界はここまでクラシック音楽と対峙して調和するのだ!!
耳ばかりでなく目も開いていかなければ、乗り遅れる!!なんと震えた1時間だったことか!
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